百貨店時代のお話し

これだけ押さえよう!のし紙の常識

普段は頭の片隅にもないけれど、時々訪れるイベント「冠婚葬祭」。

いざ準備するぞ!という段になって、ちょっと面倒なのが「のし紙」の類ですね。とはいえ冠婚葬祭だからこそ、きっちりしなくてはなりません(そもそも必要かどうか、という論争は一旦わきに置いておきます…!)。

ということで、押さえておくべきポイントを3つご紹介します。これだけ頭に入れておけば、とっさの時でも恥ずかしくありませんよ!

①のし紙=お祝い、かけ紙=お祝い・不祝儀

そもそもの話なのですが、「のし紙」とはお祝いの時にかける「かけ紙」のことを指します。のし、というのは右上に付いている「のしあわび」のことを指しており、それが付いている「かけ紙」=「のし紙」です。


かつては本物のあわびを薄く切ったものを包んでいました。この「のしあわび」をつけるのはお祝い=慶事のとき。不祝儀(ぶしゅうぎ/めでたくないこと)にはつけません!

ということで、この類の紙のことをどう表現するのか迷ったら、とりあえず「かけ紙」って言っておくと間違いないですよ。

(本記事のタイトルも「かけ紙」にすべきですが、「のし紙」の方がわかりやすいかな?と思ったので、あえてのし紙にしておきました!)

②水引の種類

えええ、水引?マニアックな…!と思われたかもしれませんが、ここを押さえておけば変なことにはならないので、ご紹介させてください。

まず水引というのは、表書きと名入れの間に結ばれた「ひも」のことです。

ご進物にかける掛け紙には印刷された水引が一般的ですが、本当に水引を結ぶときもあります。ご祝儀袋には本物の水引がかかっていますよね!

さて、水引は<お祝いか不祝儀か>で色と結び方が変わります
これを全て覚えるのは大変なので、法則だけ押さえておきましょう。

  1. 何度あっても良いことは花結び(何度でも結べるように)
  2. 1度きりにしたいことは結び切り(二度と結ばなくて済むように)
  3. 仏事だけ黒白、あとは紅白

実際の見た目はこんなかんじです。

ということで、以上の法則を当てはめて考えてみると、、

・御出産祝=何人生まれてもめでたい!
=①花結び×紅白

・快気祝=病気はもうしたくない!全快めでたい!
=②結び切り×紅白

・御霊前=仏事、続かないほうがいい
=③結び切り×黒白(関西方面では、黄白の所もあります)

となります。この法則をわかっているだけで、かけ紙への苦手意識が消えるはずです。ぜひ覚えておいてくださいね◎

③結婚だけはちょっと特殊

先ほど②で水引の話をしましたが、結婚関連になるとちょっと特殊です。

通常の水引は5本で1セットになっているのですが、結婚の場合は倍の10本のものを使います!これは、ふたりがこれから寄り添って生きていくことを水引でもあらわすためです。これを夫婦結び(めおとむすび)といいまして、さりげなく縁起をかついでいるんですよ…!

結婚式に持って行くご祝儀袋も、新郎新婦からいただく引出物やお返しののし紙も、全部夫婦結び×結び切り×紅白、になっています。機会があったらぜひ見てみてくださいね。

もうのし紙も怖くない!

ということでのし紙・かけ紙の基本をご紹介してみました。面白い文化だなあと思ってもらえたら、それだけで十分です!日本らしさの詰まったのし紙、ぜひ敬遠せずに活用してみてくださいね◎

ちなみに、もしデパートでこのように体裁を整えたご進物を購入してくださるのであれば、以下ツイートの3点を押さえてきてくださると話がスムーズにいきますよ!


とにかく、ご用途を正直に教えてください!場面に応じた、ふさわしいかけ紙をご提案いたします。

次回は「ちょっとややこしい内祝について」書いてみようと思います。内祝、なんのことか分かりますでしょうか?こちらもどうぞお楽しみに!