百貨店時代のお話し

<元デパートガール直伝>鋳物ホーロー鍋・主要メーカー比較と選び方

みなさんは、鋳物ホーロー鍋(いものホーローなべ)を使ったことはありますか?
「憧れるけど、高いし重いし…」と思って手を出せていない方が多いアイテムですよね。

でもじつは、鋳物ホーロー鍋で料理をすると、それだけでおいしく仕上がるんです!!

今回はそんな鋳物鍋についての解説と、おすすめの選び方をご紹介していきます。

鋳物ホーロー鍋って、なに?

鉄を溶かして固め直すことで作られた鍋のことを、鋳物鍋と言います。

鉄がむき出しのタイプの鍋もありますが、人気度が高いのは、鋳物鍋にガラス質をコーティング(ホーロー加工)したタイプです。これが「鋳物ホーロー鍋」です。

ホーロー加工がされることで錆びの可能性を減らしたり、調理のしやすさがアップしたりするわけです。

鋳物ホーロー鍋全般に共通する特徴

鋳物ホーロー鍋に共通する特徴は3つあります。

  1. 重い(鉄のかたまりなので)
  2. 温まるのに時間がかかるが、一度温まると蓄熱性が高い
    (基本的には中火より少し弱いくらいで加熱し、温まったらごく弱火でOK)
  3. 食材にムラなく熱が伝わり、おいしさが一層引き立つ

どうしても重さがネックになりがちですが、②③のメリットの大きさに気付いたが最後、鋳物ホーロー鍋は手放せなくなりますよ。

主要メーカー3社を比較してみる

鋳物ホーロー鍋はたくさんのメーカーが製造しています。中でも代表格と言えるのが、こちらの3社ですね。

  1. ル・クルーゼ
  2. ストウブ
  3. バーミキュラ

(リンクは公式ホームページです)

さて、何がどう違うのでしょうか?1社ずつ比較してみましょう。

ル・クルーゼ

(公式ホームページより)
  • フランス製
  • フタのノブがゴムなので熱くならない
  • 鍋の内側がクリーム色のため、食材の色がわかりやすい(一部商品を除く)
  • カラーバリエーションが豊富
  • 無水調理NG

ル・クルーゼはとにかくカラーリングがきれいです。ポップで鮮やかな色合いは、食卓をパッと華やかにしてくれますね。丸みのあるデザインも特徴的で、女性に人気です。

また、ル・クルーゼはフタと本体の間にあえて隙間を作っています。

というのも、適度に蒸気を逃がすことで、素材の雑味を抜くという考え方で作られているからです。そのために無水調理がNGとなります。

あとで紹介する「バーミキュラ」とはこの密閉率で比較されることが多いですが、これは考え方の違いであって、どちらが良いというものではありません。

ひとつ声を大にして言っておきたいのですが、ル・クルーゼで作るカレーは、ジャガイモが本当においしくなります。カレーを作って、あれだけジャガイモばっかり食べたくなったのは初めてでした。

一時期「野菜、あま!うま!ル・クルーゼ」とうたっていたル・クルーゼ。まさに野菜の甘さを上手に引き出してくれるお鍋だな、と感動しました。

ストウブ

(公式ホームページより)
  • フランス製
  • フタのノブは金属のため、鍋つかみが必須
  • 鍋の内側はざらっとした加工になっており、焼き色を付けられる
  • マニッシュなカラーリング
  • 無水調理OK

最近のライフスタイル誌には、軒並みストウブが写り込んでいますね。おしゃれなイメージが強いお鍋です。

媚びない、シンプルなデザインは男性受けするので、よくご夫婦のお客さまがデザインで意見を戦わせている光景を目にしました(ちなみに決定権があるのは奥様のことが多いですね)。

ストウブは全ての商品で鍋の内側のホーロー加工をあえてザラザラにしてあるため、素材に焼き色を付けることができます。焼いてから煮る調理が、鍋ひとつで済むのがうれしいですね。

ちなみにル・クルーゼ、バーミキュラではタイプを選ばないとザラザラ加工になっていないので注意が必要です。

また、ストウブのフタの裏にはピコという突起がいくつか付いています。

こうすることで、鍋の中の水蒸気から作られた、おいしさが詰まった水滴を鍋の中にまんべんなく落ちるようになっています。

ストウブで炊いたご飯はみずみずしくて、米粒も一粒一粒立っていて、とてもおいしいです。炊き込みご飯のときも、素材の味を強く感じますよ。

バーミキュラ

(公式ホームページより)
  • 日本製
  • フタにも取っ手が2箇所付いていて、両手で持ち上げられる(鍋つかみは必須)
  • 鍋の内側がクリーム色のため、食材の色がわかりやすい
  • パステルカラー
  • 無水調理OK
  • アフターケアあり(有償)

最近はバーミキュラのフライパンが注目されていますね。その前はライスポットでしたし、何かと話題に事欠かないのが「バーミキュラ」です。

バーミキュラは日本の愛知にあるメーカーです。元々はドビー機という記事を織る機械を作っていましたが、その技術を活かして鍋を作ったところ大ヒット。

「紙一枚通さない密閉度」が売りで、無水調理が得意な鍋です。

バーミキュラはル・クルーゼとストウブの良いとこ取りして開発された印象があります。鍋の内側はクリーム色で素材の色をわかりやすくしていますし、フタの裏のピコという突起も付けていますね。

そして何より、ほか2社にはない特徴がアフターケアです。

これは、何らかの負荷がかかってホーローが損傷してしまった場合に、ホーロー加工をやり直してくれるというものです。有償ではありますが、日本人の丁寧さがここでも光っています。

初めての1台は、どれにしよう?おすすめの決め方

では、鋳物ホーロー鍋を買うならどれにしましょうか。

ここまで違いを書いておいて、こう言うのも何ですが…

すごく迷ったら、最後はデザインで決めましょう!

冒頭にも書いた通り、鋳物鍋は重さがあるので、慣れるまでは使うだけでもハードルがあります。特に洗うときに重さを感じてしまいがちです。

せっかくの高い買い物。買ったならどんどん使ってほしいので、使っているときに気分を上がるかどうかが結構大切です。使っていてウキウキするようなデザインのメーカーで決めちゃいましょう!

また、サイズは22cmをおすすめします。

4人家族以上であれば24cmもありですが、3人以下であれば、1人暮らしも含め22cmが良いと感じています。22cmを押す理由は次の通りです。

  • ギリギリ扱いやすい重さ
  • 容量が多すぎない
  • 作り置きの煮物やカレーをたっぷり作れる
  • ご飯をまとめて炊くことも可能

わたしは1人暮らし時代に22cmを買いました。最初は「大きすぎたかも…?」と思いましたが、使ってみるとそうでもありませんでした。

また、現在は2人暮らしをしていますが、やっぱり22cmは便利です。卓上でお鍋をするときにも重宝しています。

(ちなみに2台目には18cmか14cmの小ぶりのものが良いですよ。ちょっとした料理で使いやすいサイズ感です。こうやって、ハマるとどんどん増えていくんですよね…。)

鋳物ホーロー鍋をさっさと味方につけてしまおう

わたしはデパートで働くようになってから鋳物ホーロー鍋の存在を知り、以来ずっと片思いをしていました。

でもその時の自分に言いたい。

「片思いしてないで、さっさと買いなさい」と。

それなりに良いお値段なので清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入したのですが、いざ使ってみると自分の料理スキルの低さを勝手に鍋がカバーしまくってくれるのです。

同じように作ったスープなのに、どうしてこんなにおいしいのか??毎日驚きの連続でした。

迷っている方へ。早いところ、思い切って買っちゃえ! とびきりおいしい食生活が待っていますよ。もうね、ぜひとも、早く買ってください!

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<おまけ>
わたしが持っている鋳物鍋はこちらです。

  • ストウブ ココットラウンド22cm(バジルグリーン)
  • ルクルーゼ ココットジャポネーズ22cm(ホワイト)→実家にあげました
  • ストウブ ココットラウンド18cm(ナス)→実家にあげました
  • ストウブ ココットラウンド10cm(ブラック、グレー)
  • ストウブ ココットラウンド14cm(リネン)
  • バーミキュラ 14cm(ブルー)

要は、すっかりストウブ族ですね。ストウブのデザイン・色合いが好きすぎて…!

ル・クルーゼも好きなんですが、お母さんにあげました。「ジャポネーズ」は浅型タイプなので、冬に卓上で鍋をするときには最高に活躍します。すき焼きとかもいいですね!

10cmの小さいストウブでは、オムレツや茶碗蒸し、アヒージョを作ったりしています。冷蔵庫で冷やしておけば、デザートの器としても優秀ですよ!

バーミキュラは一度お試しで使わせていただきました。普段ストウブの具合に慣れているので、密閉性の高さが逆に難しかったですね。そろそろ買おうかな。。。
→なんと友人からいただきました! ごはんはまだ炊いていませんが、適当にお野菜をつっこんで煮てます、雑なのにおいしい。フタが開かないくらい高圧で密閉されるので、お肉とかおいしくなるかもと思っています。