百貨店時代のお話し

”接客”の価値はリアルな世界にしか通用しないのか?

先程の記事の続きのようになりますが。
『お金2.0』が言うところの、「価値主義」について。

接客を極めている人が、百貨店にはごろごろいます。
ただ話を聞くだけではなく、聞いたうえで、寄り添うようなご提案をする。
その反応を見て、もっと深い提案をしてみたり、
あるいは「そこまでは必要なさそうですよ」とアドバイスをしてみたり。
話を続けていく中で、ご本人も気づいていない要望を引っぱりだすこともあります。

決して押し売りをせずに、
「このお客さまがご満足するものは何か?」だけを考えて、
なんなら時には他店をご案内するような、お客さま本位の販売員さん、たくさんいるんです。

そして、「ものを買う」ということが、ECの台頭によってかなり合理化されている中で、販売員とのやりとりを楽しみにされていたり、販売員の知恵や能力に期待されていたりするお客さまもまた、たくさんいらっしゃいます。

「販売員に価値がある」のです。

しかしながらこの風潮ですと、どんどん実店舗は無くなっていくでしょう。

ということで、接客をなんとか生かしていく方法を考えたいなと思ったのです。

接客におけるキーワードは「対話」
クチコミ記事も相当役に立ちますけど、自分のニーズに100%合致するクチコミなんてなかなかない。それに、潜在的なニーズを引き出すには至らないのです。
それを引き出せるのが「対話」。

接客は、どうしたら生き残れるでしょうか。どうしたら価値をもっと高められるでしょうか。

・ルート① 実店舗で価値を高めていく

これはもう、店舗数を極限に減らし、営業時間も短くして、実力の高い販売員を集約させること。
そうすると、「このお店に行けば間違いなく素晴らしいお買い物ができる!」という、絶対的安心感のある店舗になります。そういうお店でないと、ECには太刀打ちしきれないです。

わざわざ足を運ぶ価値がある、と思ってもらうには、現状の人手不足の店頭では実現レベルが低いです。これはどうがんばっても無理です。お客さまのことを最大限考えて工夫を凝らすには、時間的にも精神的にも余裕が必要ですから。
今の、働き方改革で時間がない・でも仕事は増える、そんな環境では、時間内に業務を終わらせるために接客レベルを下げざるを得ません。本末転倒。

優秀な販売員だけを集め、販売員は販売に専念できる。店舗運営はじめ後方部門もそれぞれ専任制。そうすれば、現場はとにかく販売に重きを置ける。
そんなお店であれば、おそらくお客さまから絶大な支持を得られるでしょう。

・ルート② ECなのに接客を受けられるシステムを生み出して生き残る

こんなことってできるんでしょうか?
ひとまず、ツイッターを始めてようやくひと月レベルというweb環境に疎いわたしからは、劇的なアイデアは出てこないと思うのですが。
でもなんかLINELIVEで手軽に配信している様子とか見ていると、対話することも簡単にできそうな気がしてきます。スカイプとかテレビ電話っぽい感じでしたもんね、技術としてはすでにできてる話か。

うーん、例えば、実店舗の販売員の時間をEC上で予約できるようにして、予約のときに欲しいものなどご要望をある程度そこに書いておいてもらう。
で、時間になったら、その販売員がスマホかなんか片手に持ちながら、お客さまとライブ形式でつながり、店頭をご覧いただきながら接客をする。とか?
思いがけず実店舗とからんだ案になりましたが…

でもこれだと、すぐ欲しいときにすぐ買うってできないですよね。
いや、販売員を選ばずに、空いている販売員が承ることもできるようにすれば、いけそう。

なんかこれならすぐにでも出来そうな話ですね。
あ、でも店頭に販売員が足りていないから、いますぐには難しいか…

あとは、そうですね、Amazonが商品分野ごとに優秀な販売員を雇って、コンサル的なポジションをつくる。
例えばフライパンにしたとして、お客さまがフライパンを何社分か見て回ったら、「フライパンコンサルタントの○○さんが今空いています。相談しますか?」みたいなボタンが出てきて、相談に乗ってくれるとか。

そして、ここまで書いてきて、ひとつ思い出しました。

人工知能。これ、接客できるようになるんでしょうか?
そういえば既に、「この商品を見た方はこんな商品も見ています」って表示も出るくらいだし…

販売員の接客の内容をコツコツと人工知能にインプットすれば、これも可能なんでしょうね。そのインプットが大変そうですけど。

あれ?
そもそも今回の話は、実店舗にいる優秀な販売員を生かすためのアイデア出しだったんですが。
やっぱり販売員いらなくなってしまうんでしょうか…

いや!そんなことないと信じてます。引き続き考えてまいります。