お店づくり

京都でUber Eats④客層編

今回はUber Eats(ウーバーイーツ)でおよそ60件の配達をこなしてみて感じた客層をまとめてみます。

これはあくまで玄関先での一瞬の出会いで察しただけなので肌感覚(定性的な情報)にすぎません。でも、お店側はどんな人が注文したか実際に見に行けないので、メニューを考えるにしろ何かと手を打ちにくい状況に陥っているはずです。だからこそ、この考察が何かヒントになればうれしいなと思ってまとめてみることにしました。

 【a】Uber Eats オーダープログラム

前提

わたしが稼働しているのは、京都ランチタイムです。

「雨の日」と「夜」は事故のもとなので避けています。ということは、普通に出かけようと思えば出かけられる晴れの日のランチタイムにわざわざUber Eatsを利用している層=今後もUber Eatsを使い続けるであろう注文者層の考察になっていると思われます。

また、現状コロナの影響で利用者が増えていると思われますが、そういう人たちは間違いなく「置き配」(商品を玄関先に置くことで直接受け取らずに済む)を指定するはずなので、直接受け渡しにしている方々はこれまでもUber Eatsを利用してきていた層であり、わたしが対面している注文者はそういう人たちではないかと考えられます。

※ちなみに今回考察した時期は2020年4月上旬の2週間で、コロナの緊急事態宣言が出始めた頃です(京都には出ていませんでした)。

顧客属性

年代

20代後半〜30代が圧倒的多数の印象です。新しいサービスやアプリを使うことに抵抗が少なく、どんどん試してみたいと感じる人が多いのかなと。

たまに40代を見かけますが、いかにもネットに強い在宅ワーカーというたたずまいでした。あとは「足をケガしている」など、明確な理由がある方でした。

60代以上のシニア層は見たことがありません。おそらく彼らは馴染みのお店の出前とか、シニア向け宅配サービスといった電話で注文できるサービスに流れているのかなあと思われます。アプリを使うこと自体、ハードルが高いですからね。

20歳前後の大学生に届けたことも4〜5回あり、たまたまかもしれませんが、みんなマクドナルドでした。そういえば最近、週に1回程度UberEatsのチラシがポスティングされているのですが、750円×2回分の値引きがついています。もしかするとクーポンの価格メリットを感じて試してみたのかもしれません。

後でも触れますが、Uber Eatsはそれなりに収入のある人でないと価格的に頼みにくい気がしています。だからこそ20代後半からの人口が増えるのでしょうか。

男女比

これは半々くらいで、若干男性が多めくらいの感覚です。

正直なところ、男性の方が出不精が多そうだから大多数を占めそうだと勝手に予想していましたが違いました。ただもしかするとコロナのご時世も手伝って、一時的に女性比率が上がっているのかもしれませんね。

そういえば平日に育休中のママ層からの注文がもっとあっても良さそうなのですが、あんまり見かけないですね。

家族構成

割合として、だいたいこんな感じかなあと思っています。

  • 単身者 60%
  • 二人暮らし 15%
  • 子ありファミリー 15%
  • その他 10%

受け取りの時に出てくる人はひとりなので、どうにも判断がつかない部分もありますが。あくまで受け取りに出てきた注文者の雰囲気と、玄関周りに置いてあるものなどで察した感じです(もちろん、わざわざ見たりはしませんよ! 一連の動作で目に入るだけの情報をもとにしています)。

「二人暮らし」と判断したのは、アプリでわかる注文者のお名前(苗字と、名前の頭文字だけが表示されます)に「香」などの女性らしい漢字が含まれているのに、実際に受け取ったのは男性だった、というようなパターンです。

子どもがいるかどうかは、玄関まわりにポップなおもちゃや小さい自転車が置いてあったり、受け渡しの時におうちの中が騒がしかったりするとわかります。中にはお子さんが受け取りにくるパターンもあって、癒されます。

その他は職場への配達です。

(余談ですが、自分が配達をしてみて、玄関先には極力モノを置かないようにしようと改めて感じました。見ようとしなくても見えちゃうこともあるし、ちょっとのことでもこうやって分析できちゃうんだなと思うと、ね…。だからやっぱり置き配はどんどん活用すべきです。セキュリティ的にも、コロナ的にも)

住まい

面白いことにオートロック付きの綺麗なマンションが、大げさではなく9割近くにのぼります。配達する時ってアプリの地図を見ながら行くのですが、目的地まであと少しになった時点で「たぶんあの綺麗そうなマンションかな」と予測してから近寄ると、だいたいビンゴです。

中にはコンシェルジュ付きのマンションもありました。エントランスにはふかふかのソファに、整えられた中庭。オートロックを解除したところに、池と表現したらいいのか、おしゃれな水辺があるところも見かけましたね。

あと、これもたまたまだと思いますが、明らかにハイグレードなマンションはどこも和モダンなしつらえになっていました。京都という土地柄がそうさせるのでしょうか。いいなあ、住んでみたいな〜!

他、オートロック以外の1割弱の中身は落ち着いた住宅街にあるアパートか、駅近のオフィスの一室ですね。あと商店に運んだこともありました、ピザ屋さんとか(!)。

ちなみに戸建てに運んだのは1回だけです。京都って戸建てに住んでいる人はみんなシニア層なんでしょうか? それとも若い層が戸建てに住もうと思ったら郊外に出ないと土地が手に入らないとか? なにか関係性があるのか、ちょっと気になっています。

立地

これは地図を使って説明します。7割近くの方々が赤い枠の中で、残り3割がその外側という印象です。

Uber Eatsの報酬について書いた回でも触れましたが、ピークタイムには赤い枠内の注文者、依頼が少ない時間は外側の注文者だとありがたいですね。

正直、赤い枠内って京都のかなり中心地で、その辺に住んでいれば徒歩5分圏内にはコンビニや何らかの飲食店が出てくるはずです。

そんな場所に住んでいればUber Eatsなど利用しなくても済みそうですが、最寄りのお店が自分のお気に入りかどうかは別問題だし、毎日同じ食事というわけにもいかないでしょうから、Uber Eatsに頼む必要性ってやっぱりありそうだなと感じています。

どんなものを買うか

分量

  • 1人前 60%
  • 2人前 30%
  • 3人前以上 10%

「家族構成」と同じような数字です。やっぱりひとり分が多いかなと。平日の12時ごろにはオフィスへ3人前や、週末になるとファミリーで4人前なども見られますね。

人気商品

だんだん皆さんが頼むものの傾向がわかってきた気がします。これまた肌感覚ですが、いままでに受けた依頼の多い順で並べるとこんな感じになりそうです。

  1. ファストフード(マクドナルドやモスバーガー)
  2. 中華(餃子の王将や街中華)
  3. カレー(CoCo壱番屋やカフェ)
  4. ハンバーグ(ガストやカフェ)
  5. タイ料理(専門店)

鉄板はファストフードです。昔からテイクアウトが整っていたので、あまり抵抗なく頼めるのかもしれませんね。パッケージもしっかりしていて安心です。

2位以下はみんな味が濃くて、間違いなくおいしいものたちが並びます。この辺は王将やCoCo壱といった大手チェーンの中に個人経営のカフェも結構食い込んできます。カレーやハンバーグはあまり大きくハズレないメニューだからこそ、行ったことのないお店でも頼みやすいのかもしれません。

タイ料理はちょっと意外でした。でもこれ、スパイシーな香りがものすごく食欲をそそるんですよね。おうちで作りにくいからこそアリだなと思いました。一度頼んだらくせになりそうです。

どんなライフスタイルの人たちか

観察して見えてきた客層をもとに、ライフスタイルを想像してみます。

効率重視

在宅で仕事をしていたり、おうちにお子さんがいたりすると「家事の時間を減らす」ことが重要ミッションになってきます。

家事代行のサービスも便利そうですが、おうちの中に他人を入れることをためらう人は多いはずです。でもUber Eatsであれば、配達員が部屋の中に入ってくることなく「炊事」を外注できるのです。

ごはんの献立を考えて、食材を調達して、調理して、片付けて……この一連の作業にかかる労力って結構大きいです。1日1食分だけでもこれをカットできたら、いくばくか楽になるのではないでしょうか。

金銭的余裕がある

これはやっぱり「ほぼ9割が綺麗なオートロック」というところからきています。そういう物件を借りるには、それなりの月収と安定性がないと厳しいはずです。

その上で、自分が買いに行くよりもお金がかかるUber Eatsをあえて使い続けるわけですから、余裕がないとできません。「効率重視」とも重なりますが、お金よりも「時間」に価値をおく人が多いのかもしれませんね。

※ただし現状はコロナの一件があるので「とにかく外に出たくない人」の利用も増えているはずです。自宅から一歩も出ないための必要コストとして考えれば、普段はUber Eatsを割高に感じている人でも払う気はします。

ちなみに余談ですが、Uber Eatsの注文者を見ているとどうも「届くのに時間がかかって当然」「できたてアツアツである必要はない」「無事に手元に届けばいい」と考えていらっしゃるようです(わたしの都合のいい解釈かしら)(ありがとうございます)。急かされたり怒られたりしたことは一度もありません。もしかすると、気持ち的にも余裕があるのかもしれませんね。

食べることが比較的好き

先程の地図の赤い円の中に住んでいる人は特にそうですが、歩けばすぐにコンビニがあるはずです。ぴゃっとコンビニに行ってパッと買って帰ってくる方がUber Eatsよりはるかに早く食事にありつけます。

でもそうしないのは、おそらくコンビニ食が続くのは嫌で、飲食店のおいしいごはんをあれこれ選んで食べたい! という気持ちがあるからだろうと感じました。

健康志向

時間や手間はかけたくないけど、かといってインスタント食は健康のために避けたいと考えている人も多そうです。インスタントラーメン三昧になるよりも、多少ジャンキーであってもファストフードや牛丼屋さんのほうが少しはマシなような気がします。

あと自炊するとどうしてもサラダが少なくなりがちですが、サラダのオプションを利用したり、自然食レストランのヘルシーなお弁当にすれば野菜不足も解消できそうです。思った以上に充実しているなあと感じました。

気分転換

ピザでもなんでもテイクアウトすると、なぜかテンションが上がりませんか? テーブルにあれこれ広げて、おうちじゃ普段食べられないメニューをわいわい食べるの、すごく楽しいですよね。

子どものいるファミリーだともう大盛り上がりのイベントになりますし、単身であっても盛り付けをアレンジしたりいいお酒をあけちゃったりしたら、もううきうきが止まりません。

おうちの時間に変化をつけ、楽しく過ごしたい人も一定数いそうな感じがします。

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自分自身の目で注文者の姿を見てみると、予想していたこともあれば思いがけないこともあって面白いですね。

これまで様々な接客業を経験してきましたが、Uber Eatsは今までとは全然リンクしない客層でしたし、ここに未来が詰まっているように感じました。

引き続き配達しながら考察を深めていこうと思います。