これは、わたしにとっては自然な流れです。
前回の記事では、百貨店に就職した理由を書きました。
わたしが就活をするにあたって考えていた軸は、この3つです。
- 地域の方々と、ともに発展していきたい
- こうなりたいなと思える人がたくさんいるところで働き、自分もそうなりたい
- 暮らしに役立つ提案ができるお店づくりをしたい
これらは総じて叶っています。でも働くうちに物足りないような、ちょっとずれてきたような、そんな気がしてきていました。
では、どのへんにずれを感じだしていたのか。ひとつずつ考察していきます。
①暮らしに役立つ提案ができるお店づくりをしたい
→わたしという、個人を打ち出して発信していく販売をやってみたい
接客って本当に楽しいですね。しかも百貨店なので、いいものに関心の高いお客さまが多い。語りがいがあります。
ただ、わたしの領域である家庭用品をはじめとするリビング領域は、お洋服と違って競合他社との差別化が難しいです。オリジナル商品を開発するにも、工業製品であるがゆえ、発注ロットの関係から開発できるものは一部に限られます。
となると展開商品のセレクトや見せ方、接客スキルが肝となるのですが、正直、商品自体は他でも買えるものが多い。そうするとどうなるか。
Amazonで買っちゃうんです、みなさん。だって安いし届けてくれるから。接客だけ店頭で聞いて、ありがとう!以上終わり。
もちろん、お歳暮やご挨拶といった「デパートの包装紙が求められる」場面はまだ少なからずあるので、その面で一定の売上は取れます。でも、例えばいくら「このお客さまにはこのフライパンがおすすめだなあ」と思ってたくさん説明しても、ここでは買わないよ!と、割り切ってしまっている方が少なからずいるのは、もう悲しい限りです。
(もちろん、買ってくれる人はたくさんいます。店頭で買ってない人がAmazonで買ったかどうか調査するすべはありませんが、去り際などに店頭で「Amazon見てみよう」ってつぶやく方に数名出会ったことがあるのです。。)
かなわないんです、Amazonに。現時点では。
わたしとしては、現状これだけECでのお買い物が持ち上げられているので、もう数年後(十数年かな…)には、実店舗で買う楽しさとメリットがあらためて取り上げられる日が来ると信じています。が、そこまでの間に、現状の小売業はかなり淘汰されてしまうのではないかと。。
ということで、暮らしを提案するにしても、百貨店という大きな箱の中から提案するのではなく、わたし個人を打ち出して、わたしが提案するスタイルっていうものを、どうにかこうにか形にできないかなと考えるに至りました。
それと余談ですが、もし百貨店を継続したとしても、来年の昇進試験がとてもネックなのです。これは、通例で「受けます!」と立候補するのがマストなものです。わたしはたとえ建前であっても自分で受験の意思表示をした以上は、腹をくくって並々ならぬ努力で頑張るべきだと思っていまして。しかしここで頑張るほど店頭から離れてしまう。これ以上店頭から離れてしまうことに意義をどうしても見いだせなくて、ああ腹をくくれないぞと、ずっとぐるぐる考えています。
※2018年8月25日追記
結局受けないことにしました。上長にも、その上の部長にも意思を伝えて理解してもらえました。しっかり話せて本当によかった…!
②こうなりたいと思える人がたくさんいるところで働き、自分もそうなりたい
→地方におもしろい人が集まり出していることに気が付いた
今の会社にはすばらしい先輩が本当にたくさんいます。目がきらきらしていて仕事の進め方がさくさくしてたり、お客さまに寄り添う姿勢がすばらしかったり。同期や後輩も、突拍子もないアイデアを出せる人やまっすぐがんばれる人、みんないい人ばっかりです。
ただ、これは現場の係長レベルまでの話です。先に述べた昇進試験に受かった課長レベルの人の中に、わたしが「こうなりたい!」と思える人がいません。
みなさん仕事にかなりの時間を割いています。おもしろい方はたくさんいますし、仕事ぶりを尊敬する方もいますが、軒並み男性か、独身女性。家庭と仕事両方に一生懸命な方がいれば、目指したかったです。
まあここは、現状パートナーもいないわたしにとっては不要不急の話ですけど、でもいつどうなるかわかんないし、重要な要素です。本当は、自分がロールモデルになってやる!くらいの勢いを持てればいいんでしょうが、そこまでの気力を会社に対して持てません。
そしてやっぱり年をとると、安定志向になってしまうものなんですね。
この前ふっとそれを感じて、そういう目線で上司やその上の上司を見てしまい、なんとも言えぬ気持ちになりました。こんな状況で、みんな保身に走っていて、Amazonに勝てるのか…?
今は、地方でがんばっている若い人たちがエネルギーにあふれていてかっこいい、おもしろそう、と思っています。イケハヤさんのブログにたどり着いたことは、かなり大きなインパクトをもたらしました。
③地域の方々と、ともに発展していきたい
→お店という”点”からではなく、地域という”面”で携わりたい
今勤めている百貨店では、日本のものづくりを取り上げる機会がたくさんあります。このイベントがとても好き。職人さんってかっこいい。本当に。
それで、職人さんと話をしているうちに、ふと、わたしも職人になりたいと思ったことがあります。技術を持っていることのかっこよさ。あと、ゆるぎないですよね。程度の差こそあれ、これで食べていける。
こう思ったことをゆっくりかみ砕いていったときに、ああ、わたしはこういうイベントで呼ばれる側になりたいんだと気付きました。
百貨店にいる今は呼ぶ側です。呼ばれた方は一時的にわき立つと思うんですけど、なんというかこう、継続的に関わりたい。継続的に関わって、盛り上げて、呼ばれて出展して、さらに盛り上げて
地域の側に立って日本の良さを発信してみたいと強く感じるようになりました。
そこで出てきた選択肢が移住であり、かなうなら、地域おこし協力隊として、どっぷりと街を盛り上げてみたいなと思いました。
自分の軸は変わってなんかいない
やっぱり、わたしの軸自体は変わっていないんです。ただ、優先順位は変わったかもしれません。いまはこうでしょうね。
- 地域の方々と、ともに発展していきたい
- こうなりたいなと思える人がたくさんいるところで働き、自分もそうなりたい
- 暮らしに役立つ提案ができるお店づくりをしたい
①と③が入れ替わりました。大型店舗での販売スタイル、というか百貨店の販売スタイルに限界を感じてしまったことと、自分の手で何かやってみたいという思い、さらには地方を盛り上げたいという気持ちの掛け合わせで、移住という選択肢が浮かび上がったわけです。
引き続き、突き詰めて考えます。