百貨店時代のお話し

寝具ひとつで毎日のパフォーマンスが上がる件

みなさんは普段、どういった寝具で眠っていますか?

だいたいの方は、「普通のやつだよ」と答えます。
でもこの「普通が結構普通じゃないということに、お客さまと話している中で気が付きました。
というのも、基本的に寝具って一番人の目に触れる機会がないうえに、他人の寝具を見る機会もほとんど無いため、比較対象がほとんど無く、自分が興味を持たない限り投資できないアイテムなのです。

一方、人間が眠っている時間って結構な量です。6時間睡眠で考えても、一生の4分の1は眠っていることになります。エネルギーを回復するために必要不可欠ですから、ここは受け止めるほかありません。

となると、せっかく同じ時間眠るのであれば質が高いほうがいい、ですよね!

最近「朝活」といった早寝早起きブームがきています。これも、ひいては睡眠の質をあげる手段のひとつですが、そもそも睡眠時に使う道具、つまり寝具を見直すだけでも睡眠の質を上げることができます。

睡眠の質が上がると、どうなるかというと。

・目覚めが段違いに良くなる

・気分がすっきりして集中力が上がる

・生産性が高まる

・達成感がさらに満たされる

・心地よい疲れの中、おふとんに入ることが楽しみにさえなる

いい循環ですよね。そんな暮らしをはじめてみませんか?

ということで今回は、手っ取り早く効果が出るアイテムである枕と敷き布団について、簡単に解説していきます。

どうして枕と敷き布団なのか?

人間は基本的に、直立しているときが一番バランスの良い状態とされています。この姿勢を寝ているときにも再現できると、体にかかる負荷が少なくなり、疲れが取れやすくなるのです。
寝っころがった上で立っている姿勢を再現するには、枕と敷き布団のサポートが不可欠になります。枕が高すぎると、寝ている間ずっと下を向いていることになりますよね。逆に低すぎるとずっと上を見ていることになる。どちらも普段立っているときであればあまり取りたくないポーズですよね。首がすぐ疲れちゃいます。


また、横になるとどうしてもお尻・腰回りに一番重さの負荷がかかります。これが、薄っぺらい敷き布団だと硬い床が腰にずっと押し付けられることになり、腰痛の原因になります。


さっき「手っ取り早く効果が出る」と書きましたが、枕と敷き布団こそ、質の高い睡眠に欠かせないキーパーソンです。たとえリラックス効果の高いアロマを焚こうが、寝る前にストレッチしようが、枕と敷き布団によるサポートにはかなわないと感じています(もちろん、アロマもストレッチも気持ちよく眠れるので、おすすめです!)。

寝るときの姿勢を整えるために、枕と敷き布団に投資すべきなのです。

枕は高さを合わせることが重要!

朝起きたら、枕がどこかに行っていることありませんか?
これは典型的な、枕のミスマッチです。

そこまではいかなくとも、枕の高さが合っていない人って、本当に多いです。これは、自分が子供の頃から使っている高さのものをなんとなく使い続けるパターンに陥りやすいから。買い替える時も、いつも使っているものに寄せて買う流れになりがちです。

ということで、一度枕のコンサルティングを受けてください。そして自分の頭から首にかけてのカーブを見てもらいましょう。

枕のコンサルティングは必須!

言われてみれば当然の話ですが、人によって頭の形は違います。後頭部がどこまで出っ張っているか。首までのライン、首の太さ。これらによって適した枕の形と高さを決めるべきなんです、本来は。

ということで、枕専門店にはだいたいコンサルタントが常駐しています。プロに、自分に合った枕を見定めてもらいましょう!

一気にハードルが上がった…と思われたかもしれませんが、大丈夫です。コンサルティングは基本的に無料で受けられます。

その場で買わなきゃいけないんでしょ、ちょっと緊張する…と感じた方は、コンサルタントに「今どんな枕を使っていたかわからなくなりました…一度家に帰って、あらためて確認したいです!」と伝えれば、それ以上のことはないはずです。安心してください!

一発で買い替える気で行くのであれば、①今使っている枕の高さ・やわらかさ②今使っている敷き布団の厚さ・やわらかさを把握してから行くようにしましょう。特に敷き布団を確認しておくと、今使っている敷き布団に近いものをセットして枕を試せるので、より一層イメージしやすくなりますよ(敷き布団がやわらかい程、身体が敷き布団に沈むので、枕の高さを若干高くする必要が出ます)。

カスタマイズ枕もあるよ!

既製品でぴったりくる枕があればそれで十分です。今は既製品も高さの種類が細かく設定されているので、満足できるものを選びやすくなっています。

もししっくりこなければ、カスタマイズしてもらいましょう。頭の形や首のカーブに沿って中材の量を調整して詰めてくれるタイプの枕が登場しています。

ほかにも、枕の中身がお手玉になっていて個数を増減して調整できるタイプや、高さ調整のシートが入っていて出し入れすることで微調整ができるタイプなど、自分で調整することができる枕も最近は出ていますね。

無理のない高さですか?首のラインにフィットしている感じはありますか?
安くない買い物だと思うので、しっかり比較検討しましょう!

敷き布団は柔らかめ派と硬め派に分かれる!

敷き布団って永遠に使えるものと考えている人が多いようで、枕以上に買い替える機会がないアイテムになっています。
しかしよくよく考えてみると、敷き布団は毎日、健気に数十kgの物体を支えているわけです。何年もしたら、さすがにへたってしまいます。特に、重さのかかる腰回りはクッションが潰れてしまっていて、腰を受け止めきれない状態になっていることもあります。そうするとまた腰痛につながってきてしまうのです。

実はここ数年、空前の敷き布団ブームが来ています。
「トップアスリートの身体を支えています」という触れ込みで各社売り出しており、実際その広告効果は高いですね。みなさん敷き布団に対して一種の憧れを抱いてくださっています。

しかしながら、どうしても枕に比べると高い買い物になるため、なかなか手を出せないようです。たしかに7〜8万は軽くかかってしまうので踏み切れないということですが…ここは清水の舞台から飛び降りる気持ちで、ささっと投資しましょう!

代表的な3社、ご紹介しておきます。

硬め派代表;エアウィーヴ

浅田真央さんのパフォーマンスを生み出していたのは、エアウィーヴです。広告もたくさん出ていますのでよく聞くメーカーなのではないでしょうか。

・全体的に弾力があり、しっかりしている。
・中材が特殊なファイバー素材でできており、水洗いができる。夏場や、汗をかきやすいタイプの方におすすめ。

洗えるという点で衛生面にとても安心感がありますね。通気性の良さがとにかく特徴で、夏場は特にぴったりです。

柔らかめ派代表;テンピュール

ここはあまり聞きなれないかもしれません。テンピュールは最近、松井秀喜さんを起用したのでこれから認知されていくかもしれませんね。

・身体が沈み込む柔らかさ。でも沈みすぎることはなく、適度なところで止まる。
・「無重力睡眠」と表現しているだけあって、浮いているような感覚。包み込まれている感が半端ない。

わたしは時々店頭に置いてあるテンピュールのベッドに腰掛けるのですが、包み込み具合があまりに気持ちよく、しばらく立ち上がれなくなります。

間をとって;エアー

羽生結弦選手や大谷翔平選手を起用しています。さすが寝具最大手、東京西川

・ぽこぽことした突起によって腰や肩にかかりやすい圧力を分散してくれる。
・硬さがの設定が、柔らかめ・普通・硬めの3段階に分かれているので選びやすい。

東京西川は寝具一式取り扱っているので、布団とか、カバーリングとか、全部替えたくなっちゃうかもしれませんね…!

百貨店に行くと、比較検討ができる!

かんたんにご紹介してみましたが、もし気になっていただけたのならば、ぜひお近くの百貨店に足を運んでみてください!

百貨店というとどうしても敷居が高いとか、一度入ったら買わずには出られないとか、そういったイメージを持たれてしまっています。あと販売員のおばちゃんが怖いとかね(ここは百貨店の中の人として、頑張って改善します!)。

ただ、こと寝具に関して言うと、メーカーをまたいで提案してくれる販売員がいる百貨店は、比較検討するのに最高の場所なわけです。路面店やショッピングモールの中に入っている寝具屋さんは、そのお店の中にある自社製品しかすすめてくれません。百貨店であれば、百貨店雇用の販売員がお客さまに合わせて様々なメーカーからおすすめしてくれます。こんなに選びやすい環境はありません!
また、百貨店にしか置かないハイグレード商品も存在します。お客さまの中にも、色々下調べをした結果百貨店にしかなかったから見に来た、という方が結構いらっしゃいます。最初から百貨店で見ておけば、時間と手間も短縮できる!というわけです。

ぜひ寝具を見直しましょう

駆け足になりましたが、寝具って本当に重要な道具です。わたしも百貨店に入社するまでは全くこだわっていませんでしたが、いざ買い替えてみると、「今までの睡眠とは…」って思うくらい、毎日深い眠りとスッキリした目覚めがもたらされました。

何度でも言いますが、枕と敷き布団、すみやかに投資しましょう!自分のコンディションを高めてくれます。エネルギーがもっとみなぎりますよ!

投資したいけどすぐには無理!!そんな方は。
敷き布団の上下の向きを、逆さまにしてみましょう。
これだけで、腰に当たる部分を変えることができるので、少し改善されるかもしれません!(ちなみに、すでに良い敷き布団を使っている方も、普段からこまめに向きを変えるようにすると劣化のスピードを遅らせることができます)

どうかみなさまが自分に合った寝具に出会えますように。よい睡眠を!